世の中には、大小さまざまな水槽があり、中に入れる生体もいろいろありますが、
ほとんどの魚の飼育について、共通のことがあります。
それは、水の管理が出来なければ、どんなにきれいにレイアウトした水槽だろうと
魚やエビやそのほかの生き物がどんどん★になっていき、
水は濁り、腐臭を放ち、もう見るのも嫌になってしまう。
そういうものといえます。
そして、その水の管理で一番難しいのは、新たに水槽をセットした時、
水槽内の環境を安定化させることです。
この水槽内の環境の安定化が出来れば、その後は淡々と維持管理をしていけばよく、
魚の飼育はうまくいき、アクアリウムがどんどん好きになります。
セット~安定化まで。この一連の作業を水槽の立ち上げと言います。
淡水水槽の場合について、水槽の立ち上げまでについて、一連の作業を以下に示します。
水槽を買う前に
水槽は、単なる水の入ったガラスの箱ではなく、そこに生きる生体にとっては
世界すべてとなります。
つまり、人間でいう、地球の環境が、水槽の環境ということになります。
水槽の中には、小さいながらも生態系が出来ます。
この生態系を維持管理することが、水槽の維持管理であり、
生態系を構築することが水槽の立ち上げとなります。
こんなことを言うと、魚を飼うのをあきらめたくなるかもしれませんが、
要するに、ある程度の生態系の構築が出来るくらいの水の量が入る
水槽を買いましょうということです。
お勧めは60センチ水槽ってやつで、幅60cm×奥行き30cm×高さ36cmです。
これだと、水は60l程入りますので、そこそこの水量があり、
導入時にはもってこいとなります。
この水槽の良いことは、よく売れる定番サイズということで後から買う
もろもろのパーツが安価で手に入ること。
これより小さいサイズの水槽を買って維持管理するなら、
60cmのほうがトータルコストは安くなります。
設置場所を考える
水槽は、意外と場所を選びます。
窓際に置くと、日光が当たるので苔が生えやすいです。
畳の上に置くと、畳がへこみます。最悪、水かえの水が畳にしみ込んで、
畳が腐っていくこともあります。
専用の水槽台を、丈夫な床の上において、そこに設置するのがよいでしょう。
水槽は、必ず濾過機の電源が必要となります。熱帯魚飼育だとさらにヒーターの
電源も必要になりますので、電源の取り回しも考慮します。
この時、電源はタップを利用することになると思いますが、
その場合、水槽の水面より高い位置にぶら下げるなどし、
使ってないコンセントにはキャップをはめておきましょう。
これを怠ると、不意の水漏れや、ちょっとした水はねから電源コードを伝わって
タップに入り、電気がショートすることもあります。
水槽を購入する
ここまで計画したら、水槽を購入します。
ここでは絶対に「魚を買ってはいけません」
水槽を買ってもすぐには魚が住めるようになりません。
まずは「水槽」、「底に敷く砂利」、「濾過機」、「カルキ抜き」を買います。
セットになっているものが安価でよいと思います。
合わせて「水草」(なんでも良い。安価で丈夫なアナカリスなどお勧め)も買います。
水槽を購入したら
洗います。洗うのですが、洗剤をつけるのはやめましょう。
水道水でよく洗ってください。この時、スポンジを使うのはよいのですが、
洗剤が付いていない、新品にしましょう。
あまり、ごしごしやりすぎて、ガラスの表面(アクリルだともっと)に傷をつけると
苔が生えやすくなるので注意です。
水でよく洗ったら水槽台にセットします。
この時、水槽台と水槽との間にぐらつきがないかよく調べます。
水槽台、水槽のいずれかの品質に問題があった場合、ぐらつきが出て、
最悪このまま水を入れると、ガラスが割れる場合がありますので
この場合、いったん作業を中止し、販売店に相談しましょう。
アクリル水槽の場合は多少許容性がありますが、
最初からがたついているのは、後で問題が起こりやすいので、
早めに解決しておきましょう。
砂利を入れます
砂利もよく洗います。こちらも水道水でバケツに入れて洗います。
このバケツは、ひとつ、水槽の専用バケツを作りましょう。
新品、もしくは今まで1回も洗剤が入っていないものにしましょう。
砂利はじゃぶじゃぶと、米を研ぐように洗います。
米を研いだとき同様、水が白く濁りますので、何度も捨てて、
濁りが出なくなるまで洗いましょう。
洗い終わったらゆっくりと水槽に入れ、平らにならします。
水・水草を入れます
水道水に、カルキ抜きを定量入れて、少しずつ水槽に入れます。
水槽の中は、砂利から出た小さな砂が待って水が濁りますが、
水が入ったところで、濾過機の電源をONし、濾過を開始すれば
そのうち透明になります。
透明になったところで、水草を入れましょう。
アナカリスなら、適当に砂利の中に差し込んでおけばOKです。
ほっとく
この状態で、出来れば1週間。少なくとも3日間はほっときます。
ほっとくことによって、水が水槽になじんできます。
少し生体を入れる
水が馴染んだら、生体を少しだけ入れます。
最初から魚を入れるなら、水10lに体長1cm分がよいと思います。
60l水槽だったら3cmの魚を2匹程度。最初はこれが限界です。
なお、魚を入れる場合、急に温度が変わらないように、
袋のまま1時間程度水に浮かべてから、水槽に入れましょう。
1週間無事に過ごせたら、徐々に生体を増やしていきます。
最終的には、水1lに対して体長1cm分がよいでしょう。
最後に
今回の投稿は、汎用的な淡水水槽の立ち上げ方として書きました。
入れる魚によっては、ph、砂利の質、水温管理など、
個別調整が必要となります。